2018年10月、おうさか学生演劇祭プロデュース公演第一弾「さよなら竜馬」を終えて間もなく、翌年の第2弾「장소 チャンソ」の準備を進めながら、第3弾の構想を練っていた。
このプロデュース公演は全10弾で終了すると決めている。
コンセプトは私が30年間で観て心に残っている作品、アツい作品ベスト10を20代中心の役者・演出家で最高レベルの作品に仕上げる。そして翌年にはさらに上のレベルを目指す。
第3弾に上演する作品が決まったのは、この作品を活かせる演出家が見つかったから。
2018年11月、西田シャトナーさんに20数年振りに連絡を取り、大切な作品の上演許可をいただいた。タイトルは「ジャム」。演出家は若手野心家の東 洋(東洋企画)さん。
2019年9月、関西演劇祭2019でお二人は初顔合わせを行う。
関西演劇祭に参加した東洋企画の作品をご覧になったシャトナーさんが「東 洋くんが演出なら面白くなるね」とお言葉を頂き少し安堵した。
2020年3月、コロナが日本を席捲し始めた頃、「ジャム」のオーディションを決行。 70名の応募に対して、選ばれたキャストは35名。
2020年4月、緊急事態宣言発令によりキャスト発表は見送り。
2020年5月、緊急事態宣言が延長された日、「ジャム」の上演を1年延期することを決めた。その後オンラインで初顔合わせ、読み合わせ、オンライン呑み会もした。
前向きな延期。1年半かけて芝居を作れる幸せ。
ただ、1年半延期というのは学生からするとはあまりにも長く、不安要素も多い。何人かは辞退していった。仕方がないとは言えできれば一人の脱落者なく千穐楽まで突っ走りたかった。
2020年7月初旬、初の対面劇場稽古。全員マスクで初顔合わせ。異様な光景だった。マスク越しで表情も分からず心も身体もソーシャルディスタンスだった。こんな状態で一つの作品が作れるんだろか?座組が成立するだろうか?そこは無用な心配だった。東 洋さん中心に演出部のみんなが座組を次第に一つにしてくれた。徐々に打ち解けてくるキャスト陣。
2020年9月13日、全6日間の対面稽古を終えた今日、まだ稽古はマスク越しだけど、程よい緊張感と笑い声が飛び交う稽古場の雰囲気がすごく良くなった。もう立派な座組です。
今日でしばしみんなとはお別れ。
ここからはそれぞれの場所に戻って武者修行していただきます。
いろんな作品に触れ、演じ、観てほしい。
私たちが目指すのは圧倒的な若さ溢れる熱量とパフォーマンス。
半年後、みんなが成長して戻ってきた時「ジャム」はさらに凄い作品になる。
世間はまだ先が見えないかもしれませんが、私はすでに明るい未来を見据えています。
1年後楽しみにしておいてください!
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